AGI完成に向けて先行するOpenAI
イーロン・マスク氏がなんと15兆円という途方もない金額で、OpenAIの買収を提案したというニュースが飛び込んできました。このニュースは2025年2月10日に報じられ、この買収提案に対して、OpenAIのサム・アルトマンCEOが即座に拒否し、逆に皮肉を込めたコメントを返すという、まさにハイテンションなやり取りが繰り広げられたのです。
なぜ15兆円?その裏にある壮大な戦略
ここで疑問が浮かびます。マスク氏は自社のAI開発プロジェクトや、Grokといった新たな取り組みにも巨額の投資を続けているのに、なぜあえてOpenAIの買収に15兆円もの資金を投じようとしたのでしょうか?
その答えは、「AGI(汎用人工知能)」という未来の可能性にあります。大学の博士課程レベルの頭脳を持ったAGIが誕生すれば、AIが自らAIを研究開発するというループが生まれ、一気にAIの進化が加速し、最終的にはASI(超知能)へと到達してしまうかもしれないのです。
つまり、もし誰かが最初にAGIを実現してしまえば、その勢いで世界中のあらゆる分野を制圧してしまう可能性があるのです。
マスク氏はの今回の提案に込められた意味は、ただの買収話だけではありません。AGIを最初に手に入れる者が、未来の技術市場で「すべてを総取り」してしまうリスクを、マスク氏は痛感しているのです。
AGIとASI:未来へのダブルスピードの一歩
分かりやすく言うと、AGIとは「人間並み、あるいはそれ以上に幅広い知能を持つAI」のことです。これが実現すると、AIが自ら新たなAIを生み出し、さらに進化を続けるという夢(いや、もしかしたら悪夢かもしれませんね)が現実になるのです。
そして、その進化の最終地点がASI、すなわち「超知能」と呼ばれる存在。ASIは、今の人間の知能をはるかに超え、世界中のあらゆる問題を一挙に解決してしまうかもしれません。
マスク氏の狙いは明快です。もし他の誰かがAGIを先に実現してしまったら、その先に待つASIによって世界の市場や技術の覇権を奪われるリスクがあり、まさにOpenAIがそれにもっとも近いポジションにあると見ているのです。
もしAGIが実現し、AIが自ら進化を続ける時代が訪れるなら、技術の進化スピードは人間の感覚では捉えきれないほど加速するでしょう。もはや映画や小説の世界の話ではなく、AIが我々の日常生活に大きな影響を及ぼす現実がすぐそこまで近づいているのです。
まとめ
今回のニュースは、単なる買収提案というよりも、技術革新と未来の覇権争いを象徴する一大イベントとも言えるでしょう。AGIとASIの時代が、もしかすると予想以上に近づいているのかもしれません。
マスク氏の動向はもちろん、OpenAIをはじめとする各社の研究開発の行方にも、今後ますます注目ですね。