「After GPT」の世界で生き残るために必要なプロンプト能力とは? ChatGPTに的確な指示を出す方法

AIの発展に伴い、新たな可能性が生まれています。その中でも最も注目されるのが、言語処理AIであるChatGPTシリーズです。
最新版であるGPT-4は人間に近い表現力を持ち、驚異的な能力を発揮しています。

「GPT-4をさっそく試したところ、簡単にゲームを作れた」という報告が上がっています。
AIが自動的にプログラムを生成し、完成度の高いゲームを制作することができたというのです。







多くはインベーダーゲームなどの簡単なものですが、中には簡単なゲームだけでなく、かなり高度なゲームの制作の報告も。
あのマインクラフトに似たゲームをChatGPT-4を使って25分程度で完成させたという言う人物まで登場しました。


「マインクラフトとは何か」を人間が知っていたからこそゲームを作ることができた

ChatGPTで簡単にゲーム制作が可能になったといっても、人間にマインクラフトについての知識がなければ、それを作成させることはできません。

いくら万能と騒がれているAIでも、人間による的確な指示がなければ良い結果を出すことはできないのです。

例えば、スーパーマリオをクリアするためには、「ジャンプして」という指示だけでは不十分ですよね。
どのタイミングでジャンプするか、どの高さでどこにジャンプするか、などの細かい指示が必要。

それと同じように、AIに素晴らしい成果物を作ってもらうためには、人間からの適切な「プロンプト」が必要になります。

よりよい出力結果を出してもらうための「プロンプト」の質

プロンプトとは、生成系AIが生成するテキストの方向性や内容を指示するための入力文です。
普通にみなさんがいつもChatGPTを使っているときに、Chatフォームに入力してる文章のことですね。

このプロンプトの質が高ければ、AIが生成する出力結果の質も高くなります。

例えば、あるテーマに関する問いに対して、生成系AIに対して「答えてください」とだけプロンプトを与えた場合、AIがどのような回答を生成するかはまったく予測がつきません。

しかし、より具体的な質問や指示を与えれば、AIがもっと適切な出力を生成できるようになるのです。

また、プロンプトの形式や内容は、AIが生成するテキストのスタイルやトーンにも影響を与えることがあります。

例えばプロンプトに使用する単語や文法によって、AIが生成する文章がより専門的、またはよりカジュアルなスタイルになったりもします。

生成系AIを使う上で、自分が望む結果や目的を実現してもらうための、「適切なプロンプト」を作成することが最重要なんですね。

ChatGPTが最高の出力を出すために必要としているプロンプトはどのようなものか?



ChatGPTが最高の出力を出すために必要なプロンプトは、我々がChatGPTの出力に望むものや目的によって異なりますが、一般的には、以下の点が重要です。

1.明確な指示
プロンプトは、AIに何を生成してほしいのかを明確にすることが重要です。
例えば、生成するテキストの種類、長さ、文章スタイルなどですね。

2.文脈の提供
生成するテキストの「話の流れ」を提供することも重要です。

例えば、テーマに関する背景情報や前提条件を説明することが挙げられますが、私がおすすめするのはまず最初に「ChatGPTと雑談をすること」です。

「実は上司からこういう指示があって、こういうことをする必要が出てきた」など、愚痴をこぼすような形でもOKです。

世間話から始めたり、ChatGPTに作業を依頼することになった経緯について雑談をすると、より正確で適切な出力を生成することができるようになります。

3.サンプルの提供
良質なサンプルや参考資料を提供することも有用です。

例えば、「こんな文を書いて欲しい」と記事の例を提供したり、「こういうデータがあります」とAIがより良い出力を生成するための手がかりとなるような情報をプロンプトに盛り込むのです。

4.ChatGPTに評価、感想を述べる
生成された結果について、率直な感想や意見を述べることも効果的です。もしあなたが満足していない点があるならば、そのことをChatGPTに伝えれば修正された結果を再出力してくれるでしょう。

以上の点を考慮することで、より優れたプロンプトが作成でき、ChatGPTがより高品質な出力を生成することが期待できます。

では、適切なプロンプトの具体例はどのようなものか?

とはいえ、目的ごとにプロンプトの形式をゼロから考えていたら大変ですので、どんな目的に対しても汎用的に使えるであろうというものをまずは覚えておきたいところですね。

そこで、note.comのCXOである深津貴之氏が公開した、汎用的に使えるプロンプトの形式を紹介します。

あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線



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深津式プロンプトシステム

# 命令書
あなたは、プロの○○です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の○○を出力してください。

# 制約条件:
・文字数は300文字程度。
・小学生にもわかりやすく。
・重要なキーワードを取り残さない。
・文章を簡潔に。

# 入力文:
< ここに入力文章 >

# 出力文:

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深津式プロンプトシステムを活用するためのポイント。

・ロール(ChatGPTに演じてもらう役割)を明確にする
・入力から出力を作ることを明確にする
・何を出力するかを明確にする
・マークアップ言語を用いて、本文でない部分を明確にする
・命令を箇条書きで明快にする
・さまざまなワードで、AIの出力しうる空間を、積極的に狭くしていく

あらゆるタスク命令の最後にChatGPTに出す命令
「このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問してください。」

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深津式プロンプトの例

あなたはプロの編集者です。以下概要の箇条書きから、ネットで話題になる
魅力的なタイトルを考えてください。

インプット:
・ChatGPTを聞いたことあるけど使ったことがない人がターゲット
・概要だけでなく、具体的な活用法も説明する
ポイント:
・ChatGPTを知らない人に広く関心を持ってもらう
・簡潔で明快な日本語にする
・印象的な強いワードを盛り込む

出力フォーマット:
タイトル案1
タイトル案2
タイトル案3
タイトル案4

このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問してください。

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プロンプトを作成する時ポイント
「可能性空間を限定する行為を忘れない」

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以上が、深津式プロンプトシステム。

これに沿ってプロンプトを作成すれば、文章でもプログラミングコードでも、何をChatGPTに作ってもらうにしても、「自分が最終的に欲しい出力・成果物」に誰でも簡単に近づけることでしょう。



こうしたものは、「プロンプト・エンジニアリング」と呼ばれ、学問のひとつに数えられる勢いで研究が進んでいる

今後、AIが発達するにつれて「プロンプト」が一つの学問領域として確立していくのは間違いなさそうです。

実際、すでにあちこちで、AIによって生成される出力結果の質を向上させるために、より適切なプロンプトを設定するための技術や手法が研究されています。

もちろんそのうち、AIが人間に代わってプロンプトを設定することも考えられます。
AIが人間の意図を推測し、自動的にプロンプトを生成することができるようになるかもしれません。

しかし、AIが自動的にプロンプトを生成するにしても、それを適切に修正するためには、人間の判断が必要不可欠です。

プロンプトに関する研究は、AIと人間が協力してより高度な問題解決を行うための技術の一つとして、今後も注目されるでしょう。

「After GPT」の世界においては、人間に求められることは「物事の本質」を考えること

そもそも「マインクラフトとはなにか」をまず人間が知っていなければChatGPTに「マインクラフト制作」の指示を出すこともできないのですから。

人工知能が発達した未来の世界において、人間に求められるのは「物事の本質」を考えることになるでしょう。

そしてまず「何かを望むこと」、「自分が何を望んでいるのかを明確にすること」。

そうすることで、AIに的確な指示を出すことができるようになります。

これらのことを実践することで、AIに対して的確な指示を出すプロンプト能力を身につけ、「After GPT」の世界を生き残りましょう!




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